マリッジリングを「つける」わけ

マリッジリングをつける彼の理由は「結婚しているぞ」アピールです。彼が女性にモテモテでそうしているわけではありません。趣味で出かけるコンサートなどの、スターのサイン会で、おじさんである自分が並んで「感動した目」でスターを見るのが恥ずかしいのだそうです。「変な人に見られたくないんだよなあ」と言っています。「マリッジリングしていたら変ではなくなるの?」私は呆れて聞きますが、彼は胸をはって「そうそう。結婚している普通の社会人に見える」と答えます。私にはそう考える彼のセンスが充分変な気がしますが。

マリッジリングをつける理由は、実は社会人になると色々あるのです。男性の場合は営業などのまさに仕事上にマリッジリングは活躍します。「結婚している」証明書のようなものなのです。営業する場合や仕事の商談の場合は結婚している事自体が信用されるひとつのポイントになる場合が少なくありません。

マリッジリングは既婚者の証。結婚が昔ほど重視されなくなり、独身でバリバリ仕事をこなして活躍している人の多い現在ですが、やはり結婚して家庭を持っている、守るべき人達がその人の後にいる、というのは信用の対象になるのです。ヨーロッパやアメリカでもミセスはミスよりも尊敬されます。結婚しているということは、それだけ社会性が高いという世間の見方に通じるのでしょうか。

マリッジリングはしかし、若いカップルにとっては、もっと純粋な象徴です。パートナーとして選ばれた相手に贈る神聖な愛のかたちでしょう。恋愛は結婚に縛られることなく、もっと深く純粋なものだと言う一般論も、一生涯を共にする覚悟が無ければ選べない、結婚のパートナーに対しては何の意味も力も無いのです。結婚はやはりそれだけ人生にとって男女ともに最大のイベントであり、真剣な眼差しの先に存在するものでしょう。

マリッジリングは人間が真剣に人生と向き合った時間を刻んだ形有るものです。結婚するという事実の、その中に込められた愛情や夢や希望を形にしたものなのです。現在は生活が多様化しています。ライフワークも色々なので、一概には言えないのですが、結婚するという新しい生活パターンに向き合う男女が、尊く真剣な選択をした事実を形に出来るのはステキな事です。私は彼に「そういう気持ちでリングをしてよ」と口を尖らせました。